こんにちは、のすけです。
私は今現在戸籍(性別)変更をして、男として生活しています。
いつ戸籍変更をしたかというと、
大学のとき、就活に間に合うように戸籍変更をしました。
大学の入学当初は戸籍上は女性でした。
でも、私の場合は大学入学から
自分が戸籍変更することは決まっていたので
入学の時に、女性のままで入学することは考えられませんでした。
途中で突然戸籍変更をするのには、
余計に目立ちますからね。
「え?あの子、女じゃなかったっけ?」現象になります。
明らかに、最初から女で入学する方が最終的に混乱を招くと思ったこともありますが、
そもそも、女として過ごすのはもう終わりにしたかったんです。
なので、入学前に大学側にお願いをして、
戸籍変更をしていない状態で男として通わせてもらえることになったんです。
大学というのはいい機会で、
中学校や高校って、どうしても地元の友達や
自分を知っている人がいるから突然男として通うことはできないわけです。
できるのは、「性同一性障害の子」としてズボン登校をすることですね。
でも、大学というのはいい意味で自分を知っている人がいない場所です。
(だからこそ大学デビューがあるのだと思いますが笑)
いないからこそ、
真っ新な自分で男として通うことができる機会だったんです。
「性同一性障害の人」としてではなく、
「男」として通うことができる。
それそれは、私が望んでやまないことでした。
目次
「性同一性障害」としてなのか、「男」としてなのか
ここは当事者ならば、
一度はぶつかったことがある壁なのではないでしょうか。
例えば、好きな子に
カミングアウト(自分のことを打ち明けること)したとしても
男として見てもらえるかというと、そうではなくて
どうしても「性同一性障害」というフィルターを通した男になってしまうわけです。
なんとも悲しく、
普通の男で生まれていたら。。
とタラレバを浮かべて悔しくなっていた時が
私もありました。
大学では、それが叶うかもしれない!
そんな期待と不安の中で入学しました。
そりゃ不安もあるわけです。
私は、中学の時からカミングアウトは繰り返していましたし、
自分のことを話すことには抵抗もありませんでしたが
先ほども言いましたが
カミングアウトして男として過ごすのと
自分のことを一切知らない人たちの中で
男として過ごすのは勝手が違ったからです。
しかも、今まで女社会で生きたのですから
女友達が圧倒的に多かったんです。
男の友達の作り方がわからない、、、笑
女友達の作り方はわかる。
そして、どんな人がめんどくさいのか傾向と対策もある。笑
気が合うタイプは、わかるわけです。
皆さんも気にしていないように思えて
初めましての人と会った時に、こういうタイプかな?とかって
自分が出会った人の中からデータを引っ張ってきています。
そのデータが皆無に等しかったんです。。。
男友達がいなかったわけではないのですが、、お恥ずかしい。
今度は逆に女であることを隠さなくてはいけなかった
大学の最初は、友達作りに悪戦苦闘しました。
自分は大人しい人の方があっていると思っていたのですが
そうでもなく、
そして男の人の話がつまらねぇぇぇ!!!って当時はなっていました。
話の共通項が見つからないんですよね。
男の子がよくする話題に、自分自身興味がないものばかりだったので
つまらなかったんです。
パチスロ、ゲーム、釣り、バイク、車、野球、、、
全然わからないーーーー!
男のロマンというものがわからないんですよね。
そりゃ、愚痴や好きな人の話で盛り上げることしか知らなかったのですから。
女の人はその場にいない人の話で盛り上がる傾向がありますからね。
今なら知らないことでも、もっと興味を持って聞くことができたかもしれませんが
当時の自分はできませんでした。
更に、初めましての人と話す時、
自分の生い立ちなどから共通点を見つけて盛り上がることがありますよね。
しかし、
過去の全てを語ることができない私は、
多少の嘘をつきながら話さなくてはいけなくなりました。
これは予想外に問題でした。
例えば、
バスケをやっていたという話になれば盛り上がると思うのですが
バスケの話になると、
ポジションはどこかという話や高校はどこだったか
男子バスケの強豪校の話などになるわけです。
そこで、ポジションは男で言えば明らかにガード(スラムダンクで言えば宮城)しかあり得ないような背ですが、
実際やっていたのはセンター(スラムダンクで言えばゴリ)。。だったので
話をするのが苦しくなってきます。
そして、高校名を言って知り合いがいたときの恐怖ですよ。
「え?あいつと同じ高校じゃん!連絡してみよっかな♪」
やめてくれww
みたいになりかねないんです。
中学校や高校では
男である自分を隠して女でいなければいけなかったのですが、
こうなったらこうなったで
今度は、逆に女であることを隠さなければいけなくなりました。
そして実際には、幼稚園一緒じゃん!という人が現れて
「帰ったらアルバム見てみよ♪」という言葉から
半ば強制的にカミングアウトするようになります。笑
でも、これが私の大学生活を好転させる出会いになったんです。
超いいヤツとの出会い
そんなこんなで、先ほどの幼稚園が一緒だった子にすぐに連絡したんです。
返ってきた言葉は
「大変だったね、、不安とかあるなら俺とかと一緒にいなよ!とりあえず、話聞きたいからご飯行こう!」
でした。
なんていい人なんだろう。。
大学では、泊まりでオリエンテーションがあったのですが
私を不審がった人がいて、バレるかもしれないという怖い思いをしていたときでした。
その言葉に行動にすごく救われたんです。
そのおかげで、大学の友達の輪が増えていき
今でも連絡し合う友達に出会えましたし、
私の大学ライフは、そこから始まったように思います。
最初は、「男」として大学生活することに喜びを感じていましたが
それだと全然楽しくなかったんです。
過去に嘘をつくことが、どんだけつまらないことなのかを思い知りました。
女として過ごした日々も自分であること、現在の自分に影響しているし
それなしでは、自分ではなかったなと思いました。
当事者でも、こういった考えだけではないですし、
過去を消して男の人生だけでいいという方もいるかもしれません。
でも、私はそうではありませんでした。
今では、そもそも
「性同一性障害」としてなのか、「男」としてなのかは
どうでも良くなっていて、
どれも含めて自分であると認識しています。
私は、かわいいものが好きですし、ポーチとか持ち歩きますし
え?って思われるかもしれませんが、
これも過去の自分があっての現在の自分なんですよね。
カミングアウトも必要であれば、することに抵抗はないですし
仲良くなりたいと思ったりすれば、絶対知ってもらいたい。
それを含めて私だからです。
あの過去があったから今の自分がいるという感謝
今の自分を構成しているものは
過去の経験や出会い、学びからあるものです。
その感覚を今も大切にしようと思います。
消し去りたい過去も
消し去りたいと思っているうちには
今の自分に悪い影響しかくれないと思うんです。
それが『感謝』に変わった時に
自分の糧となり、成長となり、新しいものを生み出していくんだなと
思うようになりました。
本当にありがとう。
全然無駄なんかではなかったです。
自分がこう生まれたことも
大学で少し怖い思いをしたことも
今の自分の糧になっています。
よく恋愛とかでも、
「あの人なんかと出会わなければよかった」とか
「あの人と付き合った時間は無駄だった」とか聞きますが
そう思っている人のところには同じ試練が待っているのではないかなと思うんです。
経験を成長に変えていくイメージを持っていたいなと思いますね。
大学のことはもう少し書きたいこともあるので、
また更新していきたいと思います。
何か、カミングアウトなどで悩みがあれば、
Twitterやメルマガの方で返信して頂ければと思います。
一緒に成長していきましょう!